事件簿その2

 まだ25か26歳の頃、とあるエンドユーザーの元に、納品前の開発と導入指導のため静岡へ出張していたことがある。

 そこでの出来事。

 自分の会社として協力会社から一緒に出張していた3人のメンバーが居た。 皆30歳以上の恰幅の良い髭を生やしたおじさん(当時の自分から見て)ばかりだったのだが、これがとてつもない状況だった。

言い訳

 まず、進捗が遅れ納期に間に合わないとなると「デグレを起こしてしまって。」「最新のソースが消えてしまって。」と言い訳。

 度重なるので、言い訳だろうと察しつつ「ではそれぞれローカル上でもファイル管理にルールを決めましょう」とルールを決める。

 数日経って、夜中も1時を回ったのでそろそろ今日は引き上げましょうと、言いがてら「あのプログラムの方は進み具合どうですか?」と聞くと「それが、最新のファイルを消してしまったみたいで」って。

 それまで、客先のマネージャさんには「今全力でやっておりますので」「進捗の遅れは休出を持って取り戻しますので」と必死でかばってきたのに、さすがに疲労も重なってこの日はキレてしまった。

 「ファイル管理はこうやってやってくださいって、言いましたよねぇ???!!!」と絶叫してしまったのだ。あとにも先にも、そんな爆発はない。後々、「Wさん(私)キレる事件」として語り継がれて行った。

 他にも、最大スペックのサーバーのCPUを振り切るほどの処理があって、どんなソースか覗いてみたら、余計なところでLOOP文1万回まわるようになっていたり、不必要なフラグが一杯立っていたり・・・。

 「これは一度でも走らせていたら、バグってることわかるよね。」っていうプログラムを平気でリリースしていたり(つまりテストしていない)。客先でこんな仕事されたら、社の信用問題に関わると察した私は、マネージャーに全てを報告し、東京に戻してもらいたい旨を伝えた。

呼び出される

 程なくして、3人とも東京に帰ることになったのだが、その数日前のこと。出張先のお客さんのビルの階段横にある、人気のない椅子のある場所に呼び出された。そして、その3人のおじ様達に「嘘の報告をされて、困る。」と迫られたのだ。

 25・26の女子を呼び出して、人気の無いところで大の男3人で責める。こんな卑怯なことがあろうか。「嘘は伝えていません。ありのままを報告しました。そもそも、お客さんにもずっと庇ってきたのに、もう無理だと感じたからです。」と言うのがせいぜい。

 幸い、口だけで済んで、卑劣なことはされなかったので良かったのですが、恐ろしい限り。その場は一生懸命だったので、乗り切れたけれども、その事実を上司に報告していたら、怖くて泣けてきた。戻ってから何かされたらどうしようと考えたら・・・。

 結果、その3人を紹介してきた会社の社長さんからの謝罪も入ったということ、その業務の残務処理が済んだら契約終了することなどを聞き、会社のブラックリストにも乗ったということで、安心したのだが。以降、ひげと太ったおじさんにはトラウマが残ってしまった。