ある女性プログラマーの一日

女性SE・PG画像 けたたましく鳴り響く目覚ましを止めて、再び布団にもぐりこむ。

 今日は体が重たい。午前中休みたい・・・。でも今日は午前中に進捗会議があるから行かなくちゃ。

 きしむ体を起こし、大きな伸びを一つする。昨日の疲れが抜けていない。

 大体、帰り間際にバッチが落ちたりするから!と怒りをぶつけてみたところで、連絡してきたお客さんは悪くない。向こうも必死だった。

 早めに帰ろうかな、なんて思っていた矢先に鳴り響いた電話の音に、思わず駆け出したくなったのだが、取らないわけにも行かず、対応する羽目になった。それでも、なんとか最終電車には乗れたからラッキーだったのかも。

 ハミガキをしながら、目の下のクマを眺める。年取ったなぁ〜って程の歳じゃないんだけどなぁ。
少しずつ冴えてきた頭に櫛を通し、いつものらくめの服を着る。バーゲンとか久しくいっていないなぁ。最近は、ネット通販で服を買ってたりする。

 ネットなら夜中でも買うことができるし、疲れるほど歩かなくて済むから楽なのだ。・・・思いがけず変な洋服やテロテロの安素材の服が届いてしまうことも多いのだが、やめられない。

女性SE・PG画像 そして化粧のために再び洗面所に行ってハっと思い出す。「今日午後から客先で要件定義じゃん!」慌てて、らくな服からスーツへ着替える。

 かかとを見ると、ストッキングに電線が走っている・・・「これだからストッキングきらいー」慌てて新しいのを袋から取り出す。ストックがあるのは、さすが社会人○年目。なんて自己満にひたっている余裕もない。

 顔を作るのもそこそこに、カバン(昨日のままの)を掴んで玄関を出る。走って駅へ。

 晴れた秋の空は澄み渡っていて天高く、風が気持ちいい。「下り電車に乗っちゃおうかな・・・」そんな誘惑を振り切り、満員電車に背中から突っ込む。ラッシュ電車の乗り方も、痴漢の避け方も慣れたものだ。

  会社の近くのスタバでいつものコーヒー。これが朝ごはん代わり。朝のコーヒーだけは贅沢しようと、ドトールではなくスタバで。

 会社について席にカバンとコーヒーを置いたら、朝礼が始まった。ギリギリセーフ。いつもの「連絡事項は特にありません」というだけの朝礼(あと出欠確認っぽい)を終え、再び席に戻り、コーヒーをすする。

 一気に目が覚める。今日の進捗報告の書類を印刷し、またコーヒーを味わう。午後の資料も出力しておこう。

 進捗会議は退屈な日もあれば、エキサイティングな日もある。他のチームや担当者の問題点を解決すべく議論が白熱する日があるからだ。今日は、すんなりと終わりそうだ。若干の遅れはあるものの、問題なく進みそう。

 頭は午後の案件にシフトしていた。

 ランチはコンビニへ。行列ができるちょっと前に着くよう早めに出る。近くのお弁当屋さんも美味しいのだが、続くと飽きてしまう。秋の新作サラダとおにぎり一個。缶コーヒー。ネットでニュースをチェックしながら昼食をほうばる。そうだ、午後の外出の道順もチェックしなくちゃ。地図を印刷して、乗り換え案内もチェック。1時半には出よう。

 客先へ到着。 新しく会う担当さんと名刺交換。「珍しいお名前ですね」といつも言われる言葉に「ええ、そうなんですぅ」と笑顔で挨拶。

 アパレル関連の企業なので、担当者もフランクで楽しく会議が進む。優秀な担当さんでよかった、要点が簡潔で合理的な解決を望むタイプの人だった。次回は現場視察ということでお約束をいただき、会議終了。

女性SE・PG画像 自社に戻り、報告書を作成する。どんなプランで行こうか、と考えるとわくわくしてくる。これだから、新規の案件は楽しい。この時期のワクワク感がなかったら、とっくに辞めているだろう。

 報告書を作り終えたところで、昨日連絡のあったお客さんからまた連絡が入った。青くなりながら話を聞いていると、今日はうまくいっていますという報告。それで、追加改修の打診を、ということだった。ほっと胸をなでおろし、再度上司を携えて伺うということで電話を切る。よかった。

 そこで定時を知らせるチャイムがなった。これは、夕方の休憩を取りなさいというチャイムであって、定時、つまり帰ってもいいのだよという合図ではないことを知ったのは、ここにきてすぐのことだった。夕方の休憩時間は残業時間に含まれないので、休んだ方がいいのだが、そうも言っていられない。

 終電を逃さないためには貴重な30分だったりするのだ。一刻でも早く帰宅したいという思いもある。そもそも30分くらいの残業代なんかどうだっていいのだ。そこから、進行中のプロジェクトの業務に入る。定時が過ぎてから、業務を行う。なんか、おかしいけれど、仕方ない。人間、慣れるものだ。

 きりの良いところまで進め、ふと横をみると煮詰まっている様子の後輩が居た。「今日は、息抜きにご飯でも食べていこうよ、みんなで」と誘ってみる。他にも暗い面持ちだった面々が、顔を上げる。

 今日は、割と早めに社を後にすることができた。といっても9時を回っている。特に重い話をするでもなく、仕事の話はなるべく避けながら、軽く食事をして解散。

 今日は、湯船にお湯をはって入浴しよう、と贅沢なことを思い浮かべながら帰路についた。